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當田アストリットの著作

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西アフリカ、ベナンお作法読本

 

Knigge für Benin, Westafrika

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この使いやすいリング綴じ書籍(80ページ)はベナン訪問者には必須です。更に異文化に関心ある人々は貴重なかつしばしばびっくりするような情報を見出されるでしょう。書名が示すようにお作法の本です。

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雇い主と使用人の関係をテーマとしたラゴス、ナイジェリア(西アフリカ)での初期の思い出

 

Master werden

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これについてのドイツ大統領府よりの書簡:
 

Bundespräsidialamt
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アフリカからの物語、A.Y.メダンティンサ 口述、當田アストリット 翻訳・編集

 

マルセルと僕

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「ベナン、同じ釜の飯を食べて」には當田アストリットの西アフリカの開発援助に個人的に従事した10年間の心あたたまる物語と写真が入っています。
 

Buch Benin mit Familienanschluß

 
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西アフリカへの開発援助

学校建設プロジェクト―先進国のアフリカへの債務の弁済に資するもの
當田アストリット




「ハロー、インターネットでプロジェクトを検索中にあなたのウェブサイトにぶつかりました。あなたが私の夢見ていることを実際に実行されているのは素晴らしいと思います。私も貧しい人を助けたいのですが、あなたのプロジェクトに参加できますか?」

ホームページを通じて私が受け取るメールの内容の多くはこのようなもので、将来に意義を求めている若者からのが殆どである。理想主義と人間愛を示す多くの証明に感動するが、同時にこちらでは現在においても活動とその相互作用について考えが及んでいないことを認識して悲しくなる。私のこの非難は若者ではなく、社会全体に向けられている。

ギリシャの先進文化が建築にエジプトの柱の概念を採用したことは私達も認めている。既に紀元前2660年、第3王朝の時代に柱はエジプトの建築様式となっていたのだ。しかしヨーロッパで私達は素晴らしい建築や科学を有するエジプトの文化をカラードの文化と看做しているのだろうか。それともやはり白い肌の印象で私達の意識を曇らせて白人とするのか?

既に新石器時代(紀元前2500年まで)に南部地域のアフリカ人がサハラを越えて北アフリカと交易していたことを私達は知っているだろうか。運送手段としてらくだが導入された紀元100年頃からこの南北交易は興隆した。ヨーロッパ人は既に古代にアフリカの芸術と富を享受していた。紀元770年から800年の間、当時は遥かに北西に位置していたガーナ王国は金取引の主役として広く知られていた。(Karenga, 90-92)

紀元711年に南スペインを征服し(植民地化したといってもよい)、その後約800年間この地に黄金時代をもたらしたムーア人の大部分がブラックアフリカの人々であったことを私達は知っているだろうか。彼らはイスラムの名において学校、大学、図書館、浴場を建設し、私達にいちご、生姜、サトウキビ、綿花をもたらした。この時代の素晴らしい遺跡が南スペインにあり、休暇の際には私達を魅惑する。スペイン王国が15世紀末ムーア人を追放した際、アフリカ人の撤退と共にこの全地域の文化が崩壊し、カトリック教により絶滅させられたことを私達は知っているだろうか。スペイン王はイベリア半島南部を解放したと私達は解釈しようとしているが、実際は苦しみ、抑圧と迫害をもたらしたのだ。(Karenga, 97)

ガーナ王国の小国であったカンガバに起源を有するマリ王国のことを私達は聞いたことがあるだろうか。最盛期には王国の国境は南アルジェリアから北ナイジェリアまで、西は海岸にまで及んでいた。最も有名な支配者はマンサ・ムーサ王で、紀元1312年から1337年にかけて統治していた。1324年のメッカ巡礼に彼は60000人を従え、90頭のらくだで旅したと報告されている。往復ともカイロを経由したが、カイロのスルタンは高貴な客を自分の宮殿に宿泊させた。ムーサ王はスルタンとカイロの人々にたくさんの金の贈り物をしたのでカイロの金相場がもとに戻るまで12年を要したという。マンサ・ムーサは多くの科学者、建築家、芸術家を従えて帰路につき、プラハのドイツの最初の大学設立の少し前にはニジェール川上流ティンブクトゥにサンコレ大学が誕生した。フランス王シャルル5世でさえ1375年の地図にムーサ王を西アフリカに王の衣装で王座に座り、王冠をかぶって王錫と金塊を手に持っている姿を描かせている。(Karenga,92) この頃にヨーロッパの国王は、ヨーロッパに金の産出は殆ど無いにも拘わらず金貨の鋳造を始めた。このためマリ産の金は原料として熱望された。

15世紀後半マリ王国を征服した偉大なスーダンの文化大国ソンガイ帝国について私達は何を聞いたことがあるのか。帝国は国境を越えてアラビア半島やヨーロッパと接触した。アスキア・ムハンマド国王は父親が従属させ併合した民族とも融和した。彼にとって文化の多様性とその自由な行使が良い政府の不可欠な要素であった。彼は学習と真摯な敬虔さを伝統よりも評価した。優秀で能力のある市民は出自に関係なく誰でも政府の高官になれた。アスキア・ムハンマンドはかくして専門家集団としての官僚制度を導入した。帝国は州に分割され、州の支配者は清廉潔白で効率的という組織化された統治スタイルを訓練された。彼はこれにより交易に必要な国内の安全を確立し、それは帝国の豊かさを保障することになった。アスキア・ムハンマンドはまたそれまでスーダンの国々で知られていたのを凌駕するほどの芸術と文化の隆盛をもたらした。ティンブクトゥは学問の町であり、西アフリカ文学の最初の中心となった。スコットランドの医師、アフリカ研究家であるムンゴ・パークは1796年ニジェール河畔セグ市を観察して、水上には多くのカヌーがあり、周り一面は耕された土地で、アフリカの中心に決して予期していなかった偉大な文明があったと報告している。(Koslow, Songhay)

アフリカの都市がヨーロッパと同じように古いことを私達は知っているだろうか。メンフィス、アクスム、アレクサンドリア、トリポリ、リクサスやカタルゴについては語る必要もないが、ティンブクトゥ(約850年)、ベニン・シティ(約1000年)、カノ(約750年)やカツィーナ(約800年)とミュンヘン(約850年)、ベルリン(約700年)やデュッセルドルフ(約700年)が比較の対象になろう。

これらの事実を踏まえれば私達ヨーロッパ人がアフリカ諸国とその民族を解放し、慈悲深くも植民地化するまで、アフリカが文化もなく、未開であったという考えにどうしたら至るのか。ヨーロッパの市民をだまして計画されたアフリカの搾取と略奪を受容させるためにどのようなプロパガンダがヨーロッパで行われなければならなかったのか。このプロパガンダはアフリカとその住民についての私達の現在のイメージに今なおどのように影響しているだろうか。植民地の終焉は本当に歴史となったのか。アフリカ諸国の独立が第二次大戦後にやっと始まったことを私達は知っているだろうか。そしてこれらの諸国は本当に独立しているのか。搾取は本当に終わったのか。誰が誰に開発援助を与えたのか、そして与えているのか。

私達は開発途上国の債務を話題にする。しかし何時になったら先進国の債務の話をし始めるのだろうか。この債務は本当に時効になっているのか、それとも私達は知らない振りをしているが、着実に増加しているのではないか。そもそも私達の側から開発援助を与えることなんて出来るのか。

私達自身の努力は勿論認めるにしても、私達の繁栄と快適な生活が発展途上国の貧困と悲惨のうえに築き上げられていることの意識を目覚めさせなければならない。発展途上国は同情ではなく、国の構造構築のための真の責任ある連帯を必要としている。彼らは、自分自身の現在の問題を解決もできないような私達の価値観や理想の移転を必要としていない。私達は他者への謙虚さと尊敬の念を学ばねばならない。ひょっとしたら後進国からの精神的な開発援助が私達に新しい世界への道を示してくれるかも知れない。

私はアフリカの人々から、事態をどう評価しているのか、ヨーロッパ人は深く考えていると思うかとしばしば問われる。私はその答えを知らない。はっきりしているのは事実に沿った説明があまり行われていないことである。今日までメディアは売り上げのためか政治的圧力の性かわざと間違った情報を流している。しかし私は正直な困惑と心からの連帯の証拠を手にしている。それは私が学校で語りかけた子供達の手紙である。ヨーロッパの子供と若者は真実を認め、そして、ではどうすればよいのかと問いかける勇気を持っている。

そこで“entwicklungshilfe-westafrika.de“には2つの柱がある。先進国での私の広報活動はますます拡大しているが、同時に重要なのは連帯の流れを目に見えるようにするチャンネルを大切にすることである。私を熱心に支えてくれ、毎年数が増えている私の友達や協力者を私は誇りに思う。これが私達の世界を真にひとつにするための私の希望である。

私は学校建設を重要視している。響きは良くないかもしれないが、「知識は権力を意味する」との格言が正しいことを私達は知っている。この理由からすべての政府は過去、現在を問わず教育制度を統制しようとしてきたし、また逆に教育制度は私達の政府を反映していると言える。

アフリカでの活動にあたり私達が優れた人種や全知の人として行動しないことが重要である。村人達はプロジェクトを自ら立案し、自分達が有するものすべてを学校建設のために提供する。村は土地を提供する。砂、砂利、水や木材などの材料も可能であれば同様である。私は建設の工程に応じそれぞれ一人のみの専門技術者の費用を支払い、同時に村の若者の即席職業訓練もしてもらう。その他のすべての労働力は村人が寄付の自分達の分担として無償で提供する。この協力により北部地域の金銭の援助者とアフリカの村人達は平等な立場に立つ。学校は富者が貧者に与えた贈り物ではない。学校はむしろ当初より村民の財産であり、これはアフリカの村々が感謝する義務を負う必要がないことを意味する。

私達は可能な限り建設材料は現地で調達し、必要に応じアフリカの他の国々から輸入する。これにより私はアフリカへの善意の寄付金がまたヨーロッパに還流し私達の産業への隠れた開発援助となるのを阻止しようとしている。

私は一つのプロジェクトに長々と携わるのを良しとしない。それは村を再び依存させることにつながるからだ。むしろ私は自分をひとつの触媒として、既に始まっているプロセスを加速するために、プロジェクトの完成後は再び他の場所で投入できたらと考えている。

“entwicklungshilfe-westafrika.de“は登録団体ではなく、個人のイニシアティヴに過ぎない。私は一人の個人でも何かを動かせることを証明したく、またそれでもって怖れと疑いから積極的に行動するのを躊躇している人々を励ましたいと思っている。

Quod erat demonstrandum!(証明終了)




参考文献リスト

Christine Flon (ed.), “The World Atlas of Architecture”Chancellor Press, London
ISBN 0-75370-065-4

Kwame Anthony Appiah, Henry Loius Gates Jr.,“Africana : The Encyclopedia of the African and African American Experience”, First Ed. Basic Civitas Books, New York.
ISBN 0-465-00071-1

J. D. Fage, “A History of Africa”, Zweite Ausgabe
Century Hutchinson Ltd,.London
ISBN 0-09-182308-0

Maulana Karenga, “Introduction to Black Studies”, Second Edition.
The University of Sankore Press, Los Angeles, California
ISBN 0-943412-16-1

Roland Oliver, “The African Experience”, Icon Editions
HarperCollins Publishers, Inc., New York
ISBN 0-06-430218-0

Na’im Akbar, “Light from Ancient Africa” Erste Ausgabe
Mind Productions & Associates, Inc., Tallahassee, FL
ISBN 0-935257-02-0

Malcolm X, “Malcolm X on Afro-American History”, Neue Ausgabe
Pathfinder Press, New york.
ISBN 0-87348-592-0

Matthias A. Ogutu, Simon S. Kenyanchui, “Introduction to African History”
Nairobi University Press
ISBN 9966-846-15-8

Philip Koslow, “The kingdoms of Africa“ Serie, Chelsea House Publishers
- Ancient Ghana (The land of gold) ISBN 0-7910-2940-17
- Mali (Crossroads of Africa) ISBN 0-7910-3127-6
- Songhay (The empire builders) ISBN 0-7910-3128-4
- Kanem-Borno (1000 years of splendor) ISBN 0-7910-2944-1
- Yorubaland (The flowering of genius) ISBN 0-7910-3132-2
- Hausaland (The fortress kingdoms) ISBN 0-7910-2945-X
- Benin (Lords of the river) ISBN 0-7910-3133-0
- Senegambia (Land of the lion) ISBN 0-7910-3135-7
- Dahomey (The warrior kings) ISBN 0-7910-3137-3
- Asante (The gold coast) ISBN 0-7910-3139-X
- Lords of the Savanna ( The Bambara, Fulani, Mossi, Nupe, and Wolof)
ISBN 0-7910-3140-1
- Building of a new World (Africans in America) ISBN 0-7910-3143-8

(出典: „Wechselwirkung & Zukünfte“, Nr, 117/Jg. 24, September/ Oktober 2002, S. 55ff.)


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